EU一般裁判所:「OPENAI」商標は記述的—ソフトウェア・AIサービスの登録拒否を確認

- 一般裁判所はEU語標「OPENAI」の一部拒絶を確認—ソフトウェア、クラウド、AIサービスについて記述的(欧州連合商標規則7条1項(c))。
- 英語圏の一般消費者は「OPENAI」を直ちに「自由に利用できる人工知能」と理解—造語ではなく記述的要素の結合。
- 商標の知名度や30超の第三国登録は無関係—EU商標制度は自律的;知名度は使用による識別力(同規則7条3項)でのみ考慮。
欧州連合一般裁判所(EuG)は、EU商標出願「OPENAI」の一部拒絶を確認した。本標章はソフトウェア、クラウドコンピューティング、AIサービスについて記述的であり、EU商標として登録できない。一般的な英語語を組み合わせたブランド名を用いるAI企業に直結する判断である。
事案
OpenAI, Inc.は2023年6月15日、EUIPOに「OPENAI」を出願(クラス9、42、45等)。2024年12月5日に一部拒絶、2025年6月10日に不服審査部が確認(R 190/2025-5)。OpenAIが一般裁判所に訴えた。
判断
「Open」+「AI」= 記述的
関連する英語圏の一般消費者は、空白がなくても「open」と「AI」を直ちに認識する。IT文脈で「open」は「自由に利用できる」、「AI」は「artificial intelligence」の略称として理解される。英語文法(形容詞+名詞)に従い、文法的に異常な要素はない。
造語ではない
空白の欠如は創作的性を生まない。「open AI」が辞書にないことも重要ではない(判決理由38、39)。
同質の商品群—総合的論証が許容
ソフトウェアから本人確認サービスまで、すべて自由に利用できるAIに基づき得るため、不服審査部の総合的論証は適法(判決理由48、49)。
知名度・第三国登録は無関係
欧州連合商標規則7条1項(c)は標章の内在的性質のみを対象とし、実際の使用は7条3項(使用による識別力)でのみ考慮(判決理由60)。30超の第三国登録はEUIPOを拘束しない(判決理由69)。
今後
判決確定後、7条3項に基づく使用による識別力の審査が継続される見込み。世界的知名度を踏まえ、登録達成の見通しは十分ある。
実務上の示唆
「open」「smart」「digital」「AI」等の一般語を組み合わせた商標名は、市場知名度があっても拒絶を想定すべき。AI企業は、出願時点での内在的識別力を早期に検討し、必要に応じて使用による識別力の証拠を準備することが望ましい。